夫婦は他人になっても親子関係は一生です。
調停になった場合、裁判所も「親子は会ったほうがいい」という基本的姿勢で臨みます。子供への虐待や暴力がない限りは、定期的に会える関係を再構築していく解決を探ります。夫婦としては破綻しても、子供にとって、それぞれ父親、母親は何ら変わることはないからです。
未就学児の場合では、一緒に暮らす親の考えを反映しがちです。「お母さんがいやだって言っているから」という言葉を、よく耳にします。でも、お子様も本当はお父さん(お母さん)に会いたいと思っていることが多いのです。小さいお子様の発育にとって、お父さんもお母さんもとても大切な存在です。短い時間でもいいですから、とにかく「会う」ことが重要です。
未就学児では、特に子供を相手側に預けるのは抵抗があるもの。そういう時には、その親が見守ることのできる場所で面会したり、弁護士事務所で、弁護士立ち会いのもとに会ってもらったりすることもできます。
調停(面会交流だけを求める調停などもあります)の段階であれば、裁判所の「調査官」という専門家の立ち会いのもとで面会の試行を段階的に行うことができます。相手に子供を会わせることに抵抗がある親でも、調査官の立ち会いのもとで面会するのならOKを出しやすいものです。調停を活用するのも一つの方法です。
中・高生にもなると自分の考えがはっきりしてくるので、本人の意思を尊重します。メールや手紙のやりとりで、面会以外でも親子の絆は保てます。
中高生の場合は親に対する反発があったりもします。子供がイヤダと言って面会に来ないこともありがちです。思春期・反抗期には子供の気持ちを大事にして、会わなくとも、メールや手紙でコミュニケーションを図ることも大切です。
思春期の子供には、父親(または母親)でないと相談できない悩みを抱えていることがあります。短時間でもいいので、子供と会ってその悩みについて一緒に考える機会を作ってあげてください。そのことが親子関係を再構築することになります。
養育費の支払いは、通常、20歳までですが、大学卒業までといった決め方もできます。進学の時には応分の負担をするなどの条項を、離婚合意書に盛り込みます。養育費の決め方で子供に対する配慮を見せることも重要です。
20歳を過ぎれば、もう親権は関係ありません。その頃には、子供自身も精神的に成長して、1人の大人としてお互いの考えを話し合えるような関係になっているはずです。小さな子供と違って、両親の離婚の理由もそれなりに理解できるのはないでしょうか。
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